CivⅣ 7人マルチ(4) ~亡きモンゴルに捧げるセクステット~
CivⅣ、7人プレイレポートです。
前回分から読んでください。
以下リンク
第三回 ~帝国の逆襲~
第二回 ~眠れる獅子と興国の一戦~
第一回 ~国名「エリア11」~
二日目のレビュー後篇!
ちなみにタイトルのセクステットとは六重奏のことで、残された六カ国の動向と言う意味を重ねて上手く表現できているとか言ってみる。
はてさて帝国を歴史から退場させるという奇跡に成功した日本。戦勝ムードもそこそこに国土・都市は共に二倍以上に膨れ上がり、国内は激しいインフレに悩まされていたのであった。
勝利の美酒に酔うのはこの辺りにして、置き去りになっていた東方戦線に目を向けることになる。
バビロンが戦前に提案した日本・バビロン・アステカ三国同盟による対東方諸国陣営は、奇しくもバビロンの思い通りに成立したのである。バビロンはその国土の核心をアステカという楯で守りつつ、南部から戦端を切れる。また北部は日本が展開し、立地的には十分な状況と言えた。
だが、日本諜報機関は二つの問題点を指摘していた。
・アステカ及び日本の技術的な大幅な遅れ、とりわけアステカはその領土に相応しくないほどの未発展具合であり、先進国が顔並みを揃える東側諸国に対して有効な軍事力を発揮できるとは考えにくい。
・ポルトガルは二国の不意打ちとも言える攻撃を受け、完全に混乱状態にある。各戦場で敗戦を続け、このままでは早いうちに東側が統一されてしまう可能性がある。
ポルトガルはシュメールとの和平に至っていたが、変わらずアラビアの猛攻に晒されていた。
もし、アラブとの和平に至ったとしても、ポルトガルは既に国土に二分の一近くを喪失しており、隣接する二国との戦力差は開く一方である。すると、今度はその矛先が戦力飽和を迎えて久しい日本に向く可能性が高い。
軍はこれ以上の連戦は物理的に不可能だと主張し、国内世論も平和を望んでいた。
諜報機関もポルトガルに関しては情報網が無いに等しく、テクノロジー省もこれ以上の停滞は取り返しのつかないことになると進言していた。
必然的に日本はポルトガルを味方に引き入れることを考えるようになる。
もはや宗主国として従属関係にあるバビロンにお伺いを立てることにする。
日本「我が国は戦力の限界を迎え、当分の間は戦争をすることができません。また、ポルトガルは混乱状態にあり、下手をすれば滅亡の危険性があります。ここはポルトガルを仲間に加え、四国で文明発達を遂げる東側二国を攻略してはどうでしょうか?」
及び腰の日本に比べ、混乱に乗じて世界第一の文化力を誇る国へと発展したバビロンは強気だった。
バビロン 「ポルトガルにはまだ持ってもらわないと困るけど、仲間に引き入れる必要は無いんじゃない?」
日本 「我が国とアステカは軍事・文化の両面で西側諸国に劣っています。このままでは軍備が追いつかず、抵抗らしい抵抗をできずに敗北する可能性もあります。そうなれば貴国の足を引っ張るのは明白ですよ」
バビロン 「……なるほど。確かにそれはそうだね。私もポルトガルを水面下で支持するよ。その対価としてこちらについてもらおうか」
と了解を得たところで、ポルトガルとの外交チャンネルを開く。
モンゴルの反撃にあい、主力部隊の引渡しが停滞していたが、もう一度その旨を伝えて恩を売っておこうというものだ。
が、
ポルトガル 「現在はこう着状態だからなんとも言えない」
という強気な回答を得る。
既にポルトガル領内はマスケット銃兵が闊歩し、時代が変わったことを知らせ始めていた。
最悪のシナリオが脳裏を掠める。
狼がモンゴルではなくポルトガルに代わるのか……?
だが、翌ターン。ポルトガルの一都市がアラビアの猛攻の前に陥落。
緊急連絡が入り
ポルトガル 「すいません。やはり大至急貴国の軍を回して頂きたいです」
人間って追い詰められると素直になるよね。
というわけで日本は即座にバビロンに連絡をとり、ポルトガルの惨状をいつもの如く大袈裟に伝えた。
日本 「というわけで、先ほど攻め落としたモンゴルの首都を隣国ポルトガルに譲渡したいのですが」
バビロン 「そこまでしなくてもいいとは思うけど?」
日本 「これを条件に永続的な同盟を結ぼうと思います。私は遅れた文化力の回復に尽力し、支援に徹しようと思います。私は貴国の勝利に徹しますよ」
バビロン 「貴国がそれでいいならいいよ。まあ、貴国には海を越えてシュメールに奇襲してもらっても面白そうだしね」
話はまとまった。
日本がこれ以上の領土的野心が無いということ。加えて、バビロンに対する反乱の意思が無いことを同時に伝えることができたと思われる。
最も、一度最悪の事態まで考えたことがある以上、ここでバビロンが裏切って日本へ開戦したとしても、日本は無抵抗のまま都市を明け渡す用意がある。バビロンの勝利に貢献するということはそういうことなのだから。
日本 「というわけで、我が軍の主力軍を全て提供し、停戦に至った後に故モンゴルの都市を貴国に贈呈します」
ポルトガル 「なんと! そこまでしてくれるのか!?」
日本 「我が国は貴国との未来永劫続く同盟を望みます。我々四国で、西側二国を滅亡させましょう」
ポルトガル 「それは心強い。我が国は貴国との永続的な同盟を約束しましょう」
主力軍を譲渡した翌ターン。何かを悟ったのかアラビアはポルトガルとの停戦協定に調印した。
その後日本は先の取り決め通り、故モンゴルの首都をポルトガルへと譲渡するに至る。
余談だが、ポルトガルに譲渡された日本軍の主力部隊は正に歴戦の勇士であり、その経験の豊富さは未だ嘗て見たことがないほどのものだったと言える。また、主力軍は単独で都市の一つや二つを落とせる戦争遂行能力を保有しており、その兵数もカタパルトと侍の混成軍で10部隊以上の大軍であった。もしアラビアが停戦していなかったら、ポルトガルはアラビアに手痛いダメージを与えれたのでは無いかと思われる故に残念である。
ともかく、第一次世界大戦は全ての国を多かれ少なかれ疲弊させ、終結を迎えた。
日本は戦勝国ではあるが、遅れすぎたテクノロジーに加え、二倍以上に増えた国土の開発は容易なことではない。急激な領土の拡大は経済圧迫を招く要因となるのである。様々な課題を残しての終了となった。
ここに東西陣営が成立する。
世界は西側陣営(バビロン・日本・アステカ・ポルトガル)と東側陣営(アラビア・シュメール)の二つへと分かれたのであった。
東西冷戦の始まりである。
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第二回 ~眠れる獅子と興国の一戦~
第一回 ~国名「エリア11」~
二日目のレビュー後篇!
ちなみにタイトルのセクステットとは六重奏のことで、残された六カ国の動向と言う意味を重ねて上手く表現できているとか言ってみる。
はてさて帝国を歴史から退場させるという奇跡に成功した日本。戦勝ムードもそこそこに国土・都市は共に二倍以上に膨れ上がり、国内は激しいインフレに悩まされていたのであった。
勝利の美酒に酔うのはこの辺りにして、置き去りになっていた東方戦線に目を向けることになる。
バビロンが戦前に提案した日本・バビロン・アステカ三国同盟による対東方諸国陣営は、奇しくもバビロンの思い通りに成立したのである。バビロンはその国土の核心をアステカという楯で守りつつ、南部から戦端を切れる。また北部は日本が展開し、立地的には十分な状況と言えた。
だが、日本諜報機関は二つの問題点を指摘していた。
・アステカ及び日本の技術的な大幅な遅れ、とりわけアステカはその領土に相応しくないほどの未発展具合であり、先進国が顔並みを揃える東側諸国に対して有効な軍事力を発揮できるとは考えにくい。
・ポルトガルは二国の不意打ちとも言える攻撃を受け、完全に混乱状態にある。各戦場で敗戦を続け、このままでは早いうちに東側が統一されてしまう可能性がある。
ポルトガルはシュメールとの和平に至っていたが、変わらずアラビアの猛攻に晒されていた。
もし、アラブとの和平に至ったとしても、ポルトガルは既に国土に二分の一近くを喪失しており、隣接する二国との戦力差は開く一方である。すると、今度はその矛先が戦力飽和を迎えて久しい日本に向く可能性が高い。
軍はこれ以上の連戦は物理的に不可能だと主張し、国内世論も平和を望んでいた。
諜報機関もポルトガルに関しては情報網が無いに等しく、テクノロジー省もこれ以上の停滞は取り返しのつかないことになると進言していた。
必然的に日本はポルトガルを味方に引き入れることを考えるようになる。
もはや宗主国として従属関係にあるバビロンにお伺いを立てることにする。
日本「我が国は戦力の限界を迎え、当分の間は戦争をすることができません。また、ポルトガルは混乱状態にあり、下手をすれば滅亡の危険性があります。ここはポルトガルを仲間に加え、四国で文明発達を遂げる東側二国を攻略してはどうでしょうか?」
及び腰の日本に比べ、混乱に乗じて世界第一の文化力を誇る国へと発展したバビロンは強気だった。
バビロン 「ポルトガルにはまだ持ってもらわないと困るけど、仲間に引き入れる必要は無いんじゃない?」
日本 「我が国とアステカは軍事・文化の両面で西側諸国に劣っています。このままでは軍備が追いつかず、抵抗らしい抵抗をできずに敗北する可能性もあります。そうなれば貴国の足を引っ張るのは明白ですよ」
バビロン 「……なるほど。確かにそれはそうだね。私もポルトガルを水面下で支持するよ。その対価としてこちらについてもらおうか」
と了解を得たところで、ポルトガルとの外交チャンネルを開く。
モンゴルの反撃にあい、主力部隊の引渡しが停滞していたが、もう一度その旨を伝えて恩を売っておこうというものだ。
が、
ポルトガル 「現在はこう着状態だからなんとも言えない」
という強気な回答を得る。
既にポルトガル領内はマスケット銃兵が闊歩し、時代が変わったことを知らせ始めていた。
最悪のシナリオが脳裏を掠める。
狼がモンゴルではなくポルトガルに代わるのか……?
だが、翌ターン。ポルトガルの一都市がアラビアの猛攻の前に陥落。
緊急連絡が入り
ポルトガル 「すいません。やはり大至急貴国の軍を回して頂きたいです」
人間って追い詰められると素直になるよね。
というわけで日本は即座にバビロンに連絡をとり、ポルトガルの惨状をいつもの如く大袈裟に伝えた。
日本 「というわけで、先ほど攻め落としたモンゴルの首都を隣国ポルトガルに譲渡したいのですが」
バビロン 「そこまでしなくてもいいとは思うけど?」
日本 「これを条件に永続的な同盟を結ぼうと思います。私は遅れた文化力の回復に尽力し、支援に徹しようと思います。私は貴国の勝利に徹しますよ」
バビロン 「貴国がそれでいいならいいよ。まあ、貴国には海を越えてシュメールに奇襲してもらっても面白そうだしね」
話はまとまった。
日本がこれ以上の領土的野心が無いということ。加えて、バビロンに対する反乱の意思が無いことを同時に伝えることができたと思われる。
最も、一度最悪の事態まで考えたことがある以上、ここでバビロンが裏切って日本へ開戦したとしても、日本は無抵抗のまま都市を明け渡す用意がある。バビロンの勝利に貢献するということはそういうことなのだから。
日本 「というわけで、我が軍の主力軍を全て提供し、停戦に至った後に故モンゴルの都市を貴国に贈呈します」
ポルトガル 「なんと! そこまでしてくれるのか!?」
日本 「我が国は貴国との未来永劫続く同盟を望みます。我々四国で、西側二国を滅亡させましょう」
ポルトガル 「それは心強い。我が国は貴国との永続的な同盟を約束しましょう」
主力軍を譲渡した翌ターン。何かを悟ったのかアラビアはポルトガルとの停戦協定に調印した。
その後日本は先の取り決め通り、故モンゴルの首都をポルトガルへと譲渡するに至る。
余談だが、ポルトガルに譲渡された日本軍の主力部隊は正に歴戦の勇士であり、その経験の豊富さは未だ嘗て見たことがないほどのものだったと言える。また、主力軍は単独で都市の一つや二つを落とせる戦争遂行能力を保有しており、その兵数もカタパルトと侍の混成軍で10部隊以上の大軍であった。もしアラビアが停戦していなかったら、ポルトガルはアラビアに手痛いダメージを与えれたのでは無いかと思われる故に残念である。
ともかく、第一次世界大戦は全ての国を多かれ少なかれ疲弊させ、終結を迎えた。
日本は戦勝国ではあるが、遅れすぎたテクノロジーに加え、二倍以上に増えた国土の開発は容易なことではない。急激な領土の拡大は経済圧迫を招く要因となるのである。様々な課題を残しての終了となった。
ここに東西陣営が成立する。
世界は西側陣営(バビロン・日本・アステカ・ポルトガル)と東側陣営(アラビア・シュメール)の二つへと分かれたのであった。
東西冷戦の始まりである。
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